コミュニティ政策学会の共催イベントをご近所ラボ新橋で。
2017年5月26日(金)、「ご近所ラボ新橋」のオープンラボにあわせて、コミュニティ政策学会のイベントを開催しました。オープンラボは、ご近所ラボ新橋の日頃の活動を紹介する年に一回のイベント。この日は、コミュニティ政策学会のなかに準備されている関東支部のプレイベントとして、オープンなイベントを共同開催することになりました。
受付の様子。近所の美味しいメンチカツやパンで腹ごしらえ。
これまでラボができてきた経緯の紹介の後、ふだん起こっていることを寸劇で再現。ラボに来た人がいろいろな人と関わることで、新しい居かたや生きかたを見つけていく様子がありありとわかりました。
後半は、コミュニティ政策学会の会長である法政大学の名和田是彦先生の講演。テーマは「誰もが集える公共空間~地域集会施設の進化からその意味を探る~」。コミュニティカフェや地域の居場所がどのように展開して来たのか、公民館や市民活動支援センターの歴史をたどってお話しいただきました。印象に残ったのは、セネットの「公共にあらわれる人間がいなくなったことがファシズムを招いた」という論。自分の主張を自由にでき、知り合いであるかどうかではなく人間としてそこにいることを保証されるオープンな公共空間がなくなり、その危機に本能的に気づいた人がカフェを始めたのではないか、というお話し。現場でも、公共空間は、建物という空間ではなく、その公共性を生み出す人が大事なのだとわかります。
講演に続いて、坂倉から名和田先生にいくつか質問。公共空間は行政のつくる施設ではなく、民間の力でつくる公共の場が大事になるが、そのために行政ができることは何か?という質問の答えは、まず特に都市部では民間で確保しにくいコミュニティのための空間を確保すること。その運営に参加してもいい、参加したいと感じられるような人材育成の入り口。そして、いまの社会に本当に必要とされる公共施設を市民とともに考え直し、ニーズにあったラインナップを再編すること。
その後は、参加者同士でダイアログ。ご近所ラボのメンバーや来場者のほかに学会の関係者も混じり、いつにも増して多様な人の対話の場となりました。