質的データの分析方法と事例研究

10月のゼミでは、忙しいプロジェクトの実践の合間を縫って、研究方法と事例研究を3週間に渡って勉強しました。

インタビューとその結果得られたデータを、質的分析の手法にのっとって構造化する練習(今回はM-GTAの方法を用いました)と、大学生による地域づくりの成功事例に基づいた分析です。


事例研究では、大学生が地域づくりに参加している事例を調べ、ディスカッションしました。思ったよりも多くの取り組みがあることを知り、中でも学生が主体であることが生かされている活動にはどのような特徴があるかを議論。学生が取り組みやすい活動(アート、食、メディアなど)や、タイトルに「学生」とついているだけで何か特別な価値が生まれる活動(「学生カフェ」など)といった、今後の企画立案に役立ちそうなディスカッションができました。

質的データ分析は、まず第1週目にインタビューを実施し、トランスクリプトを作成。各自がコーディングして概念シートを作成しました。第2週目に、持ち寄った概念を共有し、ストーリーラインを作成してみる、という構成。もちろん流れを掴むための練習ですから、ここでの成果をそのまま研究に利用することはできませんが、3年生は来年の卒論に向けて、インタビューなど質的なデータをどのように扱えば良いか、少しは手応えを得られたのではないかと思います。


持ち寄った概念をまとめる作業。本来はこうしたプロセスは不要ですが、聞き取った言葉そのものから少し抽象度を上げて概念をまとめていく作業は、非常に学びが多いようです。


グループで相談して、ストーリーラインを構成していきます。こうして、ある人々の経験の全体像と流れを構造化して把握していきます。


振り返ってみると、インタビューでしっかり聞きたい項目を聞けないと後で困るということ、そもそも何を知りたいかというテーマが明確でないとストーリーが見えてこないなど、基本的ですが重要なことに気づくきっかけにはなったようです。