トラまちDAYにて基調講演をさせていただきました。

2017年3月5日、成城ホールにて「トラまちDAY2017~地域で育む いえ・庭・みどりの活かし方・残し方」が開催されました。坂倉は、「<生きられる場>を地域にひらく~ひと・まち・自然が紡ぐ新たな社会」というタイトルで基調講演およびパネルディスカッションの進行を担当させていただきました。


写真は、安藤さんより。

パネリストとしてご一緒したのは、「成城みどりのスタイルブック」を制作された成城自治会の中川さん、辻さん、NPO法人玉川まちづくりハウス小西さん、タガヤセ大蔵の安藤さん。人のつくったものか自然のものかを問わず、地域の豊かな資源をつなぎ、世代を超えて受け継いでいくことの大事さ、そして現場での大変さなどを議論しました。キーワードは「ギフト」。目先の貨幣価値だけではない本質的な価値や、恩送りのような世代を超えて受け渡していくことの大事さを確認できました。

基調講演に向けて書いた発表要旨は次の通りです。備忘まで。

「<生きられる場>を地域にひらく~ひと・まち・自然が紡ぐ新たな社会」
豊かな地域社会は、限りある資源をお互いに「ギフト」する気持ちに支えられています。貨幣だけではないボランタリーな経済がなければ、多様な人々が共存し、日々の暮らしを支えあう営みと関わりを紡ぐゆとりを生み出すことはできません。さらに、これから迎える多死社会を乗り越えていくためには、死にゆく人を地域で看取り、誕生する者を迎え入れる、地域の新しい「死生観」が問われます。コミュニティを持続させていくために必要なのは、現世のみの損得勘定を超えた、世代間のギフトだからです。世代を超えた地域の資源である自然環境や歴史的な建築物を継承することは、それゆえ、私たちが自らの力で「生きられる場」を地域にひらき続けることです。こうした活動こそ、世田谷のかけがえのない財産なのではないでしょうか。